K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Miroslav Vitous: Ziljabu Nights (Live At Theater Gütersloh) (2016) 音の柔らかな膨らみ

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何回か聴くと、音の柔らかな膨らみ、それはほとんどベースから、を強く感じ、ECMの録音では感じられない暖かみ、が気持ち良い。素晴らしい。ただ過ぎ去った時間、のようなものに対する愛惜のようなものを感じる。それはラファロのGloria's Stepを取り上げる、ことからも窺える。ピーコックもそうだった。興味深い。

[2017-01-28記事] 彼のWR

 ボクはヴィトウスの音楽が好きだ。ベース奏者として、も勿論だけど、それ以上に彼の曲が持つ空気、が好きだ。空間的な広がり、微かな神秘性、地上の音ではなく天上から舞い降りるような芳香。

  ECMとの相性も悪くはない、と思うのだけど、ECMでの音のパッケージ化で、彼が持っているジャズっぽさ、を減じている部分もあり、纏まりの良さと差し引きゼロのような感覚。だから、今回、よく分からないレーベルから出たアルバムをDU店頭で見かけて、入手。

 ジャケットを見て、さすがに老けたなあ、と思う。69歳。音楽は、良い意味で相変わらず。初期のウェザーリポートを純化したような音。ECMというフィルタで濾過される前の音なので、少々、纏まりも悪いし、音も良くないのだけど、ヴィトウスにとって、あのWRが一つの通過点で、さらにその先、「彼のWR」を進めている印象。ザヴィヌルも晩年、違った形で「彼のWR」を発展させたこと、と似ているように思う。

ZILJABU NIGHTS

ZILJABU NIGHTS

 

 

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Miroslav Vitous: Ziljabu Nights (Live At Theater Gütersloh) (2016, Intuition Records)
1. Ziljabu (Miroslav Vitous) 9:31
2. Morning Lake (Miroslav Vitous) 16:43
3. Ziljabe (Miroslav Vitous) 5:18
4.Gloria's Step Variations (Miroslav Vitous, Scott LaFaro) 5:41
5. Miro Bop (Miroslav Vitous) 10:01
6. Stella By Starlight Variations (Victor Young) 13:36
7 Interview With Miroslav Vitous 7:35
Interviewee: Miroslav Vitous
Interviewer: Götz Bühler

Miroslav Vitous(b), Gary Campbell(ts),Robert Bonisolo(ts,ss), Aydin Esen(key), Roberto Gatto(ds)
Recorded Live at Theater Gütersloh, 25.06.2016
Released: 04 Nov 2016