望月慎一郎: Trio2019 (2019, Unknown Silence)
1.Yukidoke (Shin-ichiro Mochizuki)
2.From the Sky (Shin-ichiro Mochizuki)
3.Alice (Shin-ichiro Mochizuki)
4.Soil and Water (Shin-ichiro Mochizuki)
5.Waltz for Debby (Bill Evans)
6.The Third Destination (Shinya Fukumori)
望月慎一郎(p), Miroslav Vitous(b), 福盛進也(ds)
Recorded at PICCOLO AUDIO WORKS
Recording & Mixing Engineer : 松下真也
Mastered at studio BOSCO ,Shiga
Mastering Engineer : 森崇( BOSCO MUSIC,Unknown Silence )
Producer: 望月慎一郎
A&R / Product Planning : 沢田穣治 (Unknown Silence)
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Toshiya氏のブログを読んで、早速入手した。
望月慎一郎の”Trio 2019”:このアルバムが日本から生まれたことに驚く。: 中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar
最近、日本のindependentレーベルのことは全く気にしていなかった。沢田穣治氏のUnknown Silenceのページをみると、ECMを意識したレーベルらしい。1970年代のECMが絶対的な好みであり、最近の残響過多のアルバムを聴いて失望すること多し、のボクにとっては「彼のECM」って何だろう、と少し気になった。
それに何と云ってもヴィトウスの参加。これには驚いた。聴かない手はない。
まずは望月慎一郎のピアノの真っ直ぐなな美しさ、がすっと入ってくる。音数は多くも少なくもない。福盛のドラムもそうなんだけど少し物足りないくらいの音なのだけど、そこが聴き手に余裕を与える感じがあって、聴き心地がすこぶる良い。だからかどうか、ヴィトウスもやはりそのようなゆったりとした音を聴かせる。
悪く云えば質の良いBGM、だけどそれでいいじゃない、とも思う。ECM的、という切り口ならば(最近のECMではないかも)、須川崇や本田珠也のトリオはかつてのECMのような鋭さがあって、とても好みだった:
本アルバムではそのような鋭さはなくて、音が優しく、あまりECM的とも思えなかった。そこがこのアルバムの良さ、なんだろうと思った。休まる音。
録音はとても自然で楽器の音が美しい。程よい残響を纏ったピアノ、少しオフ気味ではあるが絶妙の配分のドラム、場の中心に据えられ、とても音の輪郭がしっかりしたヴィトウスの太い音、素晴らしい。1970年代のECMの音をさらに自然体にした音。一番気に入ったのは、この音場かもしれない。