K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

清水睦夫先生の著作(スラヴ民族誌など)

今更ながらに入手した高校の恩師・清水睦夫先生のスラヴ民族史の研究が面白い。

中田考の新著で、改めて米国、西欧的価値観を相対化することも必要だな、と思ったところで、清水先生を強烈に思い出した。古代ローマからの法灯は中世ローマ帝国たるビザンチンに、そしてコンスタンチノープル陥落後はモスクワへ、という授業。面白かった。古代ローマから暗黒の中世、ルネッサンスというのは西欧史であって、ビザンチン世界やモスレムの世界は全く暗黒ではなかったと。清水先生は親ロシア感情でそのような授業をやっていたのではない。旧満洲で散々なめに遭われた筈なので、感情的には逆だろう。学問的にそうだ、というご主張。民族的にはポーランド人に親しみを感じる、と仰せであった。

清水先生の著作の中でアヴァールが柔然起源に関する内田吟風の論考がreferされている。当該論考に関する内田吟風の紀要を古本屋で見かけ、清水先生に差し上げたのは1977年。書籍に溢れた先生の教員室で、そんな話をしていたことを思い出した。なぜかそんな細やかな記憶が蘇った。当時、護雅夫の中公新書「古代遊牧帝国」を読んで、テュルク(トルコ)民族の雄大なバイカル湖畔から小アジアまでの西遷に興味を持った、のだ。まさかにも、その後、工学部に進学し、社会では40年も技術者やってるとは、当時からすると思いもよらぬこと。不思議なものだ。

高校卒業後、お会いしたのは3回。1980年頃に大学の非常勤講師を務められたときに、講義を聞きに行ったこと(同窓だらけ)。数学の教育実習生として2週間、母校へ行ったとき。最後は母校の同窓会イベントで、退職して久しい先生の授業が行われたこと。2010年だったか。全く変わりのないお姿であった。風のたよりでお亡くなりになった、とは聞いていたが、こんな記事があった。合掌。

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