K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

ECMレコードのこと、ほか

 この2年余り、ECMのレコード、特に1970年代から1980年代前半までのものを少しずつ集めている。録音の良さは勿論、ジャズとその周縁の広範な音をファイルしているという点で魅力がある。

 少し困っているのは、保有レコードを覚えきれないこと。そんなに多くはないが、重複購入がぼつぼつ出はじめている。情けない。

 そんな訳でファイルベースでディスコグラフィーを作ろうとしている。そのなかで、保有レコードの整理(西独盤なのか米盤、日盤か、LC番号の有無など)を行い、重複購入を避けようと思っている。表の空欄がそれに相当する。正月休みの時間を使っている。作成にあたっては、網羅的なデータを提供しているサイト、が有難い。

 ECMに限らず、ルディ・ヴァン・ゲルダー(RVG)カッティングのレコードに関連したBlue NoteやPrestigeレーベルも気になるが、網羅的な整理をする程は持っていない。これらは、保有レコードのリスト化。

 あと、Miles Davis, Herbie Hancock, Thelonious Monk, Eric Dolphy, Keith Jarrettなど、好きな奏者も同様。休みを利用し、彼らのDiscographyを作成し、その保有状況をチェックする予定。 

 話しはECMに戻るが、1969年設立で、ボクが聴きはじめたのは10年後。アルバムは1001番からはじまって、その頃には1100番台の中盤。その頃は1年で十数枚、のペースだったようだ。その内容は、室内楽的現代「の」音楽、という大きな括りはあるが、主流派からフリージャズ、現代音楽、ロックに近いものまで、広範に包含している。それでいて、統一的な音空間を維持している。そのアイヒャー的な音空間と奏者本来の音とのせめぎ合い、のようなものが魅力。

 実は最近のECMのアルバムは、そんなに沢山買っていない。勿論、その魅力は維持しているの。しかし、当時と比べ多くのアルバムを出しているのにも関わらず、音のダイナミックレンジのようなものが狭くなっている印象があって、驚きが少ない。予定調和的な音世界に適合するような、狭いレンジの奏者が選ばれている印象が強い。奔放な音のエネルギーを受けるようなプロデューサのエネルギーが枯渇していないか、そんな思いが拭い去れない。Nik BärtschやNils Petter Molværのような、元来のECMと異質感のある奏者を包み込んだり、Yeahwon Shinのようなヴォイスへの更なる取り込みなど、領域を広げるようなエネルギーの発露に期待して止まない。