腫れた夕暮れであってもひかりは強くない。やがて訪れる闇のような雲が、力弱く広がる透明な空間に流れていく。淡い紅のひかり、になんとなく寂しさでもなく、されとて嬉しさでもない、なんにもない空虚な何かを感じた。
暁の前から眼が醒めた。闇の間、仕舞ってあった紅いひかり、が再び沸いてきたことに気がついた。約9時間の時間をかけて、西の空から東へ流れていった。
梅雨の候の弱いひかりのもと、60kmほど彼方にある峰がぼんやりと浮かび上がってきた。峰の上に立つ、もう一人の自分を夢想していたい、と思った。
腫れた夕暮れであってもひかりは強くない。やがて訪れる闇のような雲が、力弱く広がる透明な空間に流れていく。淡い紅のひかり、になんとなく寂しさでもなく、されとて嬉しさでもない、なんにもない空虚な何かを感じた。
暁の前から眼が醒めた。闇の間、仕舞ってあった紅いひかり、が再び沸いてきたことに気がついた。約9時間の時間をかけて、西の空から東へ流れていった。
梅雨の候の弱いひかりのもと、60kmほど彼方にある峰がぼんやりと浮かび上がってきた。峰の上に立つ、もう一人の自分を夢想していたい、と思った。