K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

名古屋・袋町のあたり

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袋町という通りに宿をとった。繊維街。まだあるんだ。福井に住んでいた頃、呉服町なんかがあって、衣類の商店で活気を帯びていた。今は清閑な感じで、ポッカリと穴が空いたようだ。それでも、岐阜駅前や、この通りのように残っている繊維街を見ると、ぼっと昭和40年代を思い出す。

小学校の中学年の頃、ニクソンショックとともに急激な円高新興国的な経済環境から放り出され、雑貨や繊維といった軽工業の生産地が、香港や韓国へ移転しはじめる、まさにそんな頃。

福井の借家の近所は機屋。朝から晩まで、ガシガシと音を立て、何かを織っていた。そんな地域であったが、記憶に残るのは織機のうちこわしのニュース。補助金による生産調整のため、不要になった織機を大きなハンマーで打ちこわすのだ。そして厳しい表情の生産者がアップで映る。そんな1970年代はじめを思い出す。

今、電機産業が不調ではあるが、そうやって幾度の産業構造の調整をくぐっているのだ。問題は電機産業の不調ではない。その先に新しい産業、新しい希望が見え辛いことにある。病理、のような暗い影を感じることが問題なのだ。