K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Andre Mehmari - Juan Quintero, Klo Pelgag (Sukiyaki meets in the world) 彼らの唄、北陸の風土

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K君に誘われて、メマーリとキンテイロのライヴに出かけた。富山の旧福野町(今の南砺市)にあるヘリオス

ブラジルのメマーリと、アルゼンチンのキンテイロという意外な組み合わせ。ありそうで、有り得ない気もする。コトバが違う。ただ、音楽的なベースが近くて、むしろ意外性がない、という「恐れ」も感じたのだけど。

結論から云うと、組み合わせには全く意外な感じがなく、お互いの味で十分溶け合っている。その意味で予定調和のなかであり、意外性を愉しむ昨今のボクのメンタリティからどうかな、という部分もある。同時に、その予定調和の並外れた心地よさもあり、なかなか日曜の午後のイヴェントとしては極上の過ごし方になった。

とにかく2人とも声がいい。その2人が「ネオ・フォルクローレ」的な空気でゆったり唄う、何の不満があろうか。アンコールでメマーリがミルトンの曲を唄ったとき、本当に気持ちが溶け込むようだった。そしてキンテイロはミルトンの曲に「ふるさと」を溶け込まして唄った。

そのとき思ったのは、南米の音(熱帯のソレ、でなく温帯のソレ)は、柔らかな水や光りを表すような緩いもの。その空気と北陸の風土が実に合うなあ、ということ。その感覚をリアルに感じたこと、が成果かなあ。

物販でCDを2枚。サインもしてもらった(ミーハー)。

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Klo Pelgagはカナダの若い歌い手。ケベックなので仏語。それが淡くヨーロッパ的でアリ、また辺境的でもあり、昔のケイト・ブッシュ、昨今のビヨークのような、エキセントリックな空気を醸し出すような感じ。でも、さほどエキセントリックではなく、むしろ可愛さの方が立つ。曲は弦3人が与える厚み、控え目だけどグルーヴするベースとドラムを背後に、しっかりとした作りで、飽きずに楽しむことができた。折角なので、bandcampで聴いてみようと思う。

PAも控え目でうるさくなかった。これは良い点。しかし、メマーリのピアノが十分響かなかったのが残念。Klo Pelgagのときのほうが響いたのだけど。

何よりも、このSukiyaki meets in the world(名前しかしらなかった)の奏者を選ぶセンスの良さ、がいいなあ、と思った。ヘリオスの外のイヴェントものどかで、良く脱力した感じ。イヴェント苦手なんだけど、作られた騒々しさがない、何とものどかな時間で面白かった。

全てが終わった後、実行委員(?)のYさんから、ラティーナなどで執筆されている吉本さんを紹介して頂いた。ちょっとドタバタがあり、大変失礼しました。

誘ってくれて、クルマに便乗させてくれたK君に感謝。ありがとう。面白い一日だった。