K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

仙台:日が移ろう晩秋に


 飛行機が太平洋のうえを旋回しながら高度を下げていった。きらきら光る海をみながら、その下にいまだ眠る人々が沢山居られることを思い出した。

海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 (大伴家持の歌、それを題材とした軍歌)

 その夜、仕事での集まりの幹事役の女性が、流された親族の話をして、目尻を拭った。仙台の沿海部には高台はなく、避難場所の学校は一杯。道路は渋滞。結局、逃げ切れなかったのだと。

 仙台の学校に通ったことがあり、藤崎デパート近くのアーケードでみた七夕の光景が忘れがたい。それから一年に1〜2回は訪れている。あの日からはじめて、この地にやってきたこの日。昼下がり、ボクはただ空をみてすごしていた。

 

 そんな風に時間を過ごした後に、友人と待ち合わせるために駅にいた。行き交う人々の顔を見ていると、時としてはっとするような異形の顔が通り過ぎる。その昔、この地は日高見国と言われたらしい。蝦夷地のいにしえの呼称。北上川の名前に名残が(ヒタカミ=>キタカミ)。 どんな人々の国だったのか。福島の大名:秋田氏は中世の蝦夷管領:安東氏の末裔であり、安東氏の始祖は神武天皇に刃向かった長髄彦だという伝もある。まつろわぬ誇り高き民の心意気を感じてしまう。

  そんなことをつらつら考える時間を過ごしているのだ。