K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

金澤:風が吹き、雷鳴のなかで過ごす日々(忙しいので、近況がわりに)


 これまでの数週間、そしてこれからの数週間、週末に仕事で出かけるために、とても忙しい。だから、ここ数日は夜半過ぎに帰宅。あまり夕食にもかまっていられない状態が続いている。気温が日々下がっているので、足元から全身が冷たくなっていくような感覚になっている。だから聴く音楽の温度が少しだけ高くなっている。少しだけだけど。アルゼンチンのカルロス・アギューレをはじめとする音盤が魅力的になっている。春先に入手したものは、その「少し暖か目の音」が気になって聴いていなかったのだけど、今は丁度。その話はもう少し後で。

 冬の日本海側の気候は、いまだボクにとって物珍しい。昨夜も夜半前から遠雷が聞こえ始めると、そわそわしてしまった。休日というのに、夕食も食べずに仕事をしていたのだけど、冬のシグナルが届くとそれだけで楽しくなってしまう。誰も通らない休日の深夜、クルマを走らせていると、彼方に閃光が走る。遅れて、轟音が響く。フロント・グラスに水滴が落ち始める。そんな、この地では当たり前の冬への光景が楽しくて仕方がない。 

 そんな楽しい気持ちで床に入ったのだけど、朝も雷鳴で目覚め、やはり嬉しくなってしまった。7時前というのに外が真っ暗。強い風が吹き続けている。それでも、安借家からみえる東の空には深い蒼が流れていて、墨絵に藍を流したような暗い色調のキャンパスにすっかり見とれてしまった。

 昨夜と逆方向にクルマを走らせていると、台地から下る路面の向こうには、いつまでも空が続いているように見えた。暗い暗い色のトーンをのぞき込んでいるとき、その帳が上がる春先の光景と同じくらい、この地に住まう嬉しさが溢れてくる。きっとヘンな性格なのだろうな、と思うのだけどね。

 今週末は湘南へ行って参ります。底抜けに澄んだ冬の青空のもと、富士山をみながら走る、筈なのだけど。これもまた大好きなんだな。