一昨年の暮れ、東京・六本木で聴いたマーク・ジュリアナのbeat musicは凄かった。ジャズなのか、何なのか、そんな些細なことが吹っ飛ぶ、Beat musicそのものの凄み、に恐れ入った。それから三ヶ月くらい後のメルドーとのユニットも、期待以上の凄さ。大阪・クアトロで呆然、という感じであった。
その頃に発売されていた2枚のアルバムも、まさに彼のそんな偏執狂的なbeatへの執着を見事に捉えており、頭が固くなり始めたボクにも、まさに21世紀を体感させてくれるものだった。
だから、このアルバム、Mark Guiliana Jazz Quartetと称するバンドのもの、には大きな期待があった、と思う。入手してから随分になるが、あまり聴いていない。確かにドラムに意識を集中すると悪くはないのだろうが、ジョウシャのようなテナーが、とにかくダルい。スピード感を損なっている。冒頭の曲で戦意喪失。期待の大きさに比例し、応えてもらっていない感じが辛い。ジャズなんだけど、確かに。
曲や録音の問題もあると思う。東京や大阪で、あのときに感じた、あの感じ、を再び感じたいという禁断症状のようなものが断続的にやってくる。Bandcampで、あと2つの音源販売をみつけたので、早々に試す予定。困ったものだ。
soundcloudでの試聴:
https://soundcloud.com/markguiliana/long-branch
--------------------------------------------------
Mark Guiliana: Family First (2015, AGATE)
1. One Month
2. Abed
3. 2014
4. Long Branch
5. Johnny Was
6. From You
7. The Importance Of Brothers
8. Welcome Home
9. Family First
10. Beautiful Child
Mark Guiliana(ds), Jason Rigby(ts), Shai Maestro(p), Chris Morrissey (b)
Recorded at New York on Jan., 2015