K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Mark Guiliana: BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! BEAT MUSIC!

 2014年から2015年というと、もう5年近く前じゃないか。

その頃、ブラッド・メルドーのプロモーション・ヴィデオでMehlianaを聴いて、メルドーのローズもさることながら、若いドラム奏者マーク・ジュリアナのビートのパルス感、非常に分解能が高く、その高い分解能でfractuationを制御するような、にとても昂奮。彼のバンドBeat musicのライヴ(ジェイソン・リンドナーらと来日)で頂点に達した記憶がある。

  同時期のジュリアナのアルバムMy life starts nowもBeat music/The Los Angels improvisations も、彼のドラミングを煮詰めたようなアルバムで、実に楽しく、気持ち良いものだった。My life starts nowでは良く出来た曲、ジャズっぽくはないが、ポップな曲でのドラムの切れ味も良く、彼のスケールの大きさを感じさせるアルバム。Beat musicは、ある種の習作集でこれでもかと変態的にビートを聴かせる、それが楽しかったな。

その後、Mehlianaのライヴを大阪クアトロで聴いて痺れ倒したトコロで、この導入部はお仕舞い。その後のジャズにもう少し寄り添った2枚はピンとこなくて、すっかり遠い思い出のような気分。

デヴィッド・ボウイの遺作あたりまでが何となく話題にはなっていたが、最近は本当にどうしているのだろうか、という感じだった。

そんな忘れた頃にやって来た新作。悪くはないのだけど、前作(My life starts nowやBeat music)ほどは惹かない。My life starts nowよりは曲の作りが粗っぽいし(良い曲もあるが)、The Los Angels improvisationほど偏執狂的なビートの追求もないかなあ。また聴いてみようと思うが、期待が大きいとこんな事もあるかなあ、という気持ち。リンドナーのNow Vs. Nowのほうが手堅く前進しているんじゃないか、と思ったりもしている。

BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! [Limited Yellow vinyl] [Analog]

BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! [Limited Yellow vinyl] [Analog]

 

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Mark Guiliana: BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! (2019)
1. GIRL 05:05
2. BONES 05:27
3. BUD 03:56
4. BULLET 04:33
5. HOME 03:51
6. ROAST 04:35
7. HUMAN 07:01
8. BLOOM 04:24
9. STREAM 06:35
Mark Guiliana(ds), Jason Lindner(key), Tim Lefebvre(b), Gretchen Parlato(vo)