小雨のなか渓流に入った。暖かい朝であったが、入渓地点では2℃だった。
驚くほどの暖冬のためか、すでに雪はまばらで、多雪であった昨年の4月中旬以降と同じくらい。既に春の匂い、のようなものが漂っている。
今季はじめてゆっくり時間を過ごした。久方振りだったので、足下、指先が覚束なくて、なんともモッタリした釣りになったが。
先輩諸兄に遅れること数日、やっと今季初のヤマメと出会った。いつまでも初心者なので、昨年の3月は随分長い間ボウズ。今年は早々に釣り上げ、ほっとした。でもそれは腕があがったのではなく、雪交じりの渓がはやくも春の匂いに満ちていた、からに違いない。
帰り時分は空も晴れ上がり、昨年の4月中旬くらいの気分だった。寒暖計は16℃を指していた。確かに、春だったのだ。