K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Gil Evans: Big Stuff (1957) Paris Bluesの30年前

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これは先週の東京での猟盤。RVG刻印のサード・プレス。1000円くらいだったので、まあ、という感じ。今日知ったが、Gil Evans & Tenのタイトルで売られているものと同じ。幸い、持っていなかった。

後年のようなフリー系の奏者がブロウする時代じゃないし、雑誌・本で取り上げられるのを見たこともない、地味なアルバム。レイシーが入っているが、フリーの時代にはまだ早い。だから長年ノーマーク。

そんなことで全く期待していなかったのだけど、実に良かった。何が良かった、かというと「ピアニスト:ギル・エヴァンス」を聴かせる、から。で、そのギル・エヴァンスが晩年のParis Bluesと同じような味、だったから。決して巧い、ということではないのだけど、聴かせる味がある。エヴァンスとレイシー以外は、殆どアンサンブルなので、実は2人のソロを聴かせる編曲になっていて、ブラス付きトリオ/カルテットのような感じ。それが30年後の2人、Paris bluesと同じような味わい、で聴かせる。しかも、あまり2人とも変わっていないように思える。ピアノは電化されているが、

 同じような、であって、同じ、でないのは、陰翳のようなものはParis Bluesのほうが遙かに深い。それでもピアニストとしてのギル・エアヴァンスに焦点をあてた点で、嬉しい。饒舌でも、技巧的でもないのだけど、何か惹かれる個性的な音を出すのだ。モンクとかに繋がるような、あの味が薄味だけど。 

Gil Evans & Ten

Gil Evans & Ten

 

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Gil Evans: Big Stuff (1957, New Jazz)
A1. Remember
A2. Ella Speed
A3. Big Stuff
B1. Nobody`s Heart
B2. Just One Of Those Things
B3. If You Could See Me Now
B4. Jambangle
Gil Evans(p), Paul Chambers (b), Jo Jones (ds on A1), Nick Stabulas (ds on A2 to B4)
Steve Lacy(ss), John Carisi (tp on A1), Louis Mucci(tp on A2 to B4), Jake Koven(tp), Jimmy Cleveland, Bart Varsalona(tb), Zeke Tolin(as), Dave Kurtzer(bassoon), Willie Ruff(French horn)
Engineer: Van Gelder
Recorded Sept. 6, (A1) Sept. 27 and Oct. 10, 1957.

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