K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Hampton Hawes: Playin' In The Yard (1973) 美味しいローズ、B級の味

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フェンダーローズの音が好きだ。美味しいグルーヴ感がある。初期のRTFやWRのような高踏的な演奏もいいが、ハザウェイの身体的な音、あんな感じがいい。このホウズも、フェンダーローズの音色を生かしてグルーヴする演奏で、なかなか美味しい。

間違いなくジャズ史云々には残らないだろうが、タマに聴きたくなるようなB級の名品。1970年代の音が嬉しい。同時期のアーマッド・ジャマルやラムゼイ・ルイス、末期のメッセンジャーズに通じる。

当時のロリンズ・バンドで増尾好秋とともに電気ベースを弾いていたボク・クラショウはここでも電気。とてもいい感じでグルーヴしている。ドラムはケニー・クラークで、何となく時代的に違和感はある。だけど、彼は還暦前で決して電気バンドに入っていても、可笑しくない。ディスコグラフィーを見ていると、まだまだレコードを出しているし、何と、シリルとかとグレイヴス何かとも共演している。この時点で彼が過去の人だと思う意識、が間違っているようだ。

金沢には様々な美味しいものがあるのだけど、ボクには「あまり」理解できない人気の食べ物がある。所謂B級グルメ(語感が嫌い)だけど、チャンピオン・カレー(一回試したが駄目)とか、第七餃子(これもなあ)。この手の美味しさに通じるのだろうな、1970年代のローズ。チープとも云える音なのだけど、これでグルーヴする感触は、軽い中毒性があるようなのだ。

このアルバムの存在はtoshiya氏のブログで知って、ずっと気にしていたのだけど、店頭では会えず。最近、S君との話で気になって、通販。送料入れて2000円かからない、典型的な安レコード。まさにB級の味、なのだ。

それにしても末期のプレステージのプロデュースがオリン・キープニューズなのは驚いた。

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Hampton Hawes: Playin' In The Yard (1973, Prestige)
A1. Playin' In The Yard (Sonny Rollins) 10:57
A2. Double Trouble (Hampton Hawes) 8:53
B1. Pink Peaches (Hampton Hawes) 5:03
B2. De De (Hampton Hawes) 8:53
B3. Stella By Starlight (Washington, Young) 7:35
Hampton Hawes(p), Bob Cranshaw(b), Kenny Clarke(ds)
Engineer: Carlos Olms, Chris Penycate
Remix: Jim Stern, Orrin Keepnews, Hampton Hawes
Producer: Orrin Keepnews
Recorded at the 1973 Montreux (Switzerland) Jazz Festival; Saturday, July 7, 1973.

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