K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Jimmy GiuffreのThesisを聴く

 忙しい日々で、落ち着いてレコードも聴いてられない。

今朝は出勤前にジミー・ジェフリーのThesisを聴いた。例によってイコライザをMGM(相当)に調整。低音はAES以上に、高音はAES程度に強調。古レコードの音の鮮度が蘇る。嬉しい。ピアノは瑞々しく、ベースは弦の振動が焦点を結ぶ。クラリネットは空間を切り裂く。それでいて、調和がとれた音空間の妙。

これを聴くと、確かに現代音楽風味の前衛性が今となっては美味しい。当時、そこに気がついて、その後のレーベルの原点としたアイヒャーは偉い。その昔のジャズ啓蒙本は、フリージャズはオーネットから、フュージョンはマイルスから、と唱えていたが、そんなに単純な単線・直線ではなくて、交差する複線や、孤立した点もある。これも孤立した音なのだろう。しかし、ジェフリーと交差したブレイは、その前にオーネット一派と共演しているし、スワローも面白い立ち位置。確かにジャズの境界線あたりを震わせた奏者達。

このアルバムは、その後、ECMから再編集され発売されている。それは紛れもなく「ECMサウンド」に変質していて、残響が音の輪郭を鈍らせている様、を目の当たりにしてしまう。ちょっと最近は、そこが(駄目な意味で)気になっているのだ。

f:id:dailymusiclog:20201112123753j:plain