K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

John Coltrane: European Tour 1962  非公式盤での音の圧力

John Coltrane: European Tour 1962
John Coltrane(ts,ss), McCoy Tyner(p), Jimmy Garrison(b), Elvin Jones(ds)
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ノーマン・グランツによる1962年の欧州ツアーでの非公式録音を集めたもの:

 L'Olympia, Paris, France, 1st concert, Nov. 17, 1962
Konserthuset, Stockholm, Sweden, 1st concert, Nov. 19, 1962
Kulttuuritalo, Helsinki, Finland, Nov. 20, 1962
Falkoner Centret, Copenhagen, Denmark, Nov. 22, 1962
[収録されず]   Robert-Schumann-Saal, Dusseldorf, W. Germany, Nov. 23, 1962
Stefaniensaal, Graz, Austria, Nov. 28, 1962
[収録されず]   RConcertgebouw, Amsterdam, Holland, Dec. 1, 1962
[収録されず]   RKurhaus, Scheveningen, The Hague, Holland, Dec. 1, 1962
Teatro Dell'Arte, Milan, Italy, Dec. 2, 1962

既発のPablo盤との重複はあるようだが、まとめて聴くことができ嬉しい。

1960年代のコルトレーンは、公式録音よりもBoot紛いの非公式盤のほうが圧倒的に良い。同じライヴでも、ヴィレッジ・ヴァンガードのものよりも、同メンバーの1961年欧州ツアーの方が面白い。つまり、録音テープが回っている、という意識が「整った」演奏、収録しやすい時間への意識となり、どこか覚めて吹いている、そんな印象を与えるのだ。

非公式盤では、そんな枠はなく、音に音を重ねながら、ある種違った意識の領域に入り込む、そんな姿が浮かび上がる。そしてカルテットのメンバーも、そんなトレーンに連れられて異次元のソロを叩き出している。

昔、インパルス盤ではなくBYG盤に惹かれた理由も同じ。緊張感が全く違うのだ。

物理的な音圧はそりゃRVGのインパルス盤が良いに決まっている。だけど聴き手の意識に与える音の圧力は、非公式盤がケタ違いに大きい、のだ。

ちなみにCD一杯に詰め込んだので、各コンサートが異なるディスクに分かれている。

これを並び替えてファイルを作って聴いている。Bye bye blackbirdではじまり、my favorite thingsで終わる1時間強のセットを存分に楽しむことができる。嬉しい。
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