K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Chet Baker, Paul Bley: Diane (1985) 不良の結晶

Chet Bake, Paul Bley: Diane(Steeple Chase)
1. If I Should Lose You
2. You Go to My Head
3. How Deep Is the Ocean?
4. Pent-Up House
5.Ev'ry Time We Say Goodbye
6.Diane
7.Skidadidlin'
8.Little Girl Blue
Chet Baker(tp,vo), Paul Bley(p) 
Engineer [Recording]: Ole Hansen 
Producer: Nils Winther
Recorded at Sound Track Studios, Copenhagen, February 27, 1985. Digital recording.

------------------------------------------------------------------------

[2019-7-23追記] 

やはり、この時期はブレイが好きでない。読んでいて面白い。

[2010-10-25記]

今朝の金沢は素晴らしく金沢らしい曖昧な雨模様。夜半からの強い雨は収まっているが、されとて晴れる様子もなく、このまま雨が降りそうな様子が続いていくのだろうな。

こんな朝はボクの部屋にも光は射し込まないので、随分とゆっくりとした気持ちで朝の時間を過ごすことができた。少しいろいろなことの感度を落としているので、ベランダに滴り落ちる水とか、裏の竹藪の揺れとか、住まいの上を通り抜ける風とか、布団のなかでいちいち気になっていたオトがストンと静かになっている。だから、起きがけに少し本を読んだりして時間を過ごしている。面白いアンソロジー集を買ったので。遅ればせながら読書の秋。気分よく雨模様のなか、クルマをやめて傘をさして歩いて出勤したら、思わぬ雨脚で濡れ鼠になってしまったが、それもまあ気持ちよし。

秋はDuoという方がいて、ボクもまったくその通りだと思う。友人との月例Jazz会の9月のテーマもDuoだった。たかだか4時間くらいの間に紹介できるDuoなんて僅かで、あれもこれもと後から後から気になって仕方がない。

紹介できなかったアルバムのなかで、好きな一枚が Chet Baker(tp) と Paul Bley(p)のDiane。しっとりとしたバラードのアルバム。Chetがアムステルダムのホテルから自殺とも他殺ともつかない転落死で、この世を去ったのが1988年だから、そのちょっと前の作。この頃は欧州中心の活動が活発で、アルバムも随分でている。まあどれも似たような感じなのだけど、決して悪くない。所謂ウタゴコロに溢れているから、そのココロにやられてしまうコトが多い。うたっているのだ。

Paul Bleyも頑張ると行き過ぎで、控えると控えすぎで、何かなあ、というリーダ作が多い人で、微妙に面白くないアルバムが多い。引き込まれるフレーズがタマに出るから諦め半分で買うこともあるのだけど、やめときゃヨカッタアルバムが多い。しかし、Duoでの打率は比較的良好で、頑張るときの頑張りと控える時の控えがバランスがとてもよい。だからPaul Bleyをしっかり聴くことにも、とても向いている。

一曲目のIf I Should Lose Youで、その想いがしっかり伝わってくるので、なかなか胸に迫り来る哀感あり。Chet56才、全く枯れていない。二曲目のYou Go to My Headでは歌う。しっとりとパートナーに対する情感が静かに沸騰している。こんな感じで、最後まで引っ張ってくれる。Bleyの伴奏(あえて伴奏と書 く)も、ちゃんと歌伴になっていて、時として鉱物のような冷たい輝きを、さりげなく放つ。

Diane

Diane

Amazon