Village Vanguard (the second set, 3rd June, 2011)
Roy Hargove(tp), Justin Robinson(as), Sullivan Fortner(p), Ameen Saleem(b), Montez Coleman(ds)
さてBlue Noteで楽しんで、ジャズ満腹を抱えて行ったVillage Vanguard。予約をしていなかったので随分並んだのだけど、まあまあの席。Blue noteより一回り小さいのだけど、ボクはこっちの方がいいなあ。何年か前にJim HallやPaul Motianを聴いたことを思い出していた。そう、頭の中はBill Evansがいたであろう、この空間に想いを馳せていたのだ。
それはともかくのRoy Hargoveだけど、とても巧かった。特にリズム・セクションのイキの良さ、ピアノのSullivan Fortnerは良く鳴らしていた。1曲目の出だしでリズムセクションが刻み始めたときは震えがくるほど、ドライヴ感が決まっていた。横で聴いていたギター奏者も唸っていた。
だけど、2曲、3曲と聴いていくうちに違和感が募ってきたんだなあ。Village Vanguardでのトランペット奏者というと、ボクはWoody Shawを思い出す。Stepping Stoneでの強いドライヴ感。そして吹き抜けるラッパのブロウ。手に汗握るスリリングな緊張感がたまらない。そんな音を、もっと巧く、もっとカッコ良く出せる奏者達をボクは聴いているのだ。だけど、燃えるような音が聴こえてこない。とっても上手に音を処理していくような感じ。どこかで、ボクはWoody Shawでなくて、Wynton Marsalisを思い出していた。だから何となく気持ちが冷たくなるところがあった。
なんだか冷たいLee KonitzやBill Friesellの音を聴いて熱くなって、見かけ熱いRoy Hargroveを聴いて冷たくなる奇妙なマンハッタンの夜を過ごしたのだ。
さあ帰りのニューヨークはどうしようか?