Rudy Van Gelder逝去のニュースの1日前は、イギリスのギター奏者Louis Stewartがあの世へ行ったニュースが流れていた。ボクは、この1枚のレコードとの出会いで、年の瀬の新宿のレコード屋の店頭とともに、その音が記憶に刻まれた。
欧州の奏者達は、フリーの後、1960年代末以降にその独自性を高め、米国のコピーではない立ち位置を確立している。だから、それ以前の奏者と在り方が随分違うように思える。この奏者は旧世代じゃないかな。そのようなアイデンティティは感じないが、記憶に刻む小品を残した、そこに価値があるのだと思う。
[2014-02-26記事] 一目惚れでなくて一耳惚れだよね
年度末の費用勘定の締めやら何やら、忙しくてブログに気持ちが向けられなかった。それに雪が消えたから、走ることに気持ちを向けようと集中していたからね、暫し更新しませんでした。(できなかった、ではないのです)
さて月曜・火曜と東京へ出張。時間の合間はレコード屋。新宿のディスクユニオン(ジャズ・レコードのところ)で、盤を次々見ていた時、背後の音に釘付けにされてしまった。あの曲、が何の曲だったか思い出すまで数分かかったけど、ゲッツのSweet Rainのあの曲、チックの佳曲Lithaがギターで流れていた。Lithaって分かった頃にはアップテンポで走って行った後、なのだけど、もうそれだけでイカレてしまった。マルティーノのような強いドライヴ感なのだけど、少し鋭角の角が丸まったような塩梅で気持ちよく流れて行く。ギターもいいのだけど、リズム・セクションがまた良く走る。いいなあ。
店の人に聞いたら知らないギター奏者Louis Stewart。アイルランド人、だそうだ。リズム・セクションはジョン・テイラー、サム・ジョーンズ、ビリー・ヒギンズ。悪かろう筈がない。昨今ならば、ECM的な顔ぶれなのだけど、さすがのベースでしっかりとジャズに碇が降りている。ベースのドライヴ感は、やや単純な感じなのだけど、それがいいなあ。だからジョン・テイラーも火がつくような熱めの演奏。迫力。そんな訳で、安からぬ身請け代を払い、自宅に連れて帰った次第。
店頭でかかった曲との出会いって、何年ぶりかなあ。街で見かける女性に(あまり)ドキドキすることもなくなったオヤジだけど、まあレコードにドキドキできて良かったなあ、と出会いに感謝。
一目惚れでなくて一耳惚れだよね。
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Louis Stewart: I Thought About You (1979, Lee Lambert )
A1. I Thought About You
A2. Litha
A3. Smiling Billy
B1. Unit 7
B2. November Girl
B3.Straight, No Chaser
Louis Stewart(g), John Taylor(p), Sam Jones(b), Billy Higgins(ds)