昨日からBill Evansがこの世を去った日だとSNSが告げている。34年目の秋が来た。
だから今日の仕事場の音楽はビル・エヴァンス。当時、全くと言っていいほど話題にならなかった70年代のエヴァンスだけど、なかなか素晴らしい。昨今のジャズを先取りしていたようにすら聴こえる。仕事場のちょろい設備でも、十分酔える美音。
同時期の録音に、You must believe in springがあり、精緻に組み立てられた音が持つ緊迫感に満ちている。このアルバムも、やはり憂いや哀しみ、といった語彙で表すことが適当なのだけど、時折射し込む光のようなものを感じるときがあって、ふっと音が明るくなるように思える。そこが、いい意味での軽さになっていて、楽しむことができる。
年を経る毎に、輝きを増すように思えるのは、気のせいだろうか。ふっと思った。彼は死してなお輝く。20代になったばかりのボクは、彼よりも長く生きている。奇妙な感覚だ。
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Bill Evans: I Will Say Goodbye (1977, Fantasy)
A1. I Will Say Goodbye
A2. Dolphin Dance
A3. Seascape
A4. Peau Douce
B1. I Will Say Goodbye (Take 2)
B2. The Opener
B3. Quiet Light
B4. A House Is Not A Home
Bill Evans(p), Eddie Gomez(b), Eliot Zigmund(ds)