ついにEvan Parkerを金沢で聴くことができた。主催者のヴァイオリン奏者・島田英明氏の招聘によるもの。そのご尽力に深謝致します。
はじめて入ったシアター21は大きさもほどよく、50人ほどの聴衆の前でPAなし、で彼の演奏を堪能することができた。
若い頃聴いた彼の音は、突き刺すような激しい音、のようにきこえた。しかし、先日、finger palaceのライヴを聴き直すと、そうでもなくて、
精緻に組み上げられた構造物のような心象だった。面白いものだ。
で、生それもPAなしで聴いた彼のサキソフォンはさらに印象が違って、柔らかな構造物が眼前に広がっていくような趣、だった。構造物といっても現代的な構造物ではなく、粒だったパルスが揺らぎながら並ぶ太古のドルメン。そんなことを思い浮かべながら、息継ぐことなく複数の旋律が絡み合う複雑な音と音の嵌合を聴き続ける、そんな幸せな時間であった。
第2部は島田氏の電子ヴァイオリンとのデュオ。ソロのような稠密な音群ではなく、ジャズ的な出自を想起させるような、しなやかな音を島田氏の弦と慎重に合わせていたように思う。
演奏終了後、持参したレコード2枚、に加え、販売していたレコード「残像」にサインをしてもらった。神経質なベイリーと対照的に、気さくな性格と書かれていたのは30年前。確かにそうで、気のいいオヤジでだった。
(残像は30年以上前のレコードなのだけど、なぜ売っていたのだろうか?長い間、裏ジャケットの写真とともに気になっていた一枚なので、嬉しい)
レコードの表面にサイン
レコードの裏面にサイン
これもレコードの裏面にサイン
矢印も彼のイタズラ書き。ユーモラスな人柄