K太師匠のクルマを降りる。外気温は1℃。寒い。川向こうの稜線の木々は凍り付き、白く光っている。晴天と予報にはあったが、北陸らしい曖昧な晴天。
河床に降りていくが、川面の鈍い暗さ、を見ていると、水温の低さを思い知らされる。
こんな時は釣れない、ということを思い知っている筈なのだけど、やはり行きたくなるのは何故だろうか。冷たい渓流の大気に感じる微かな春の匂いが心地よいことは間違いない。頬に感じる日射しの、僅かな温もりもそうだ。
多雪で入渓も難しいかと思ったが、そろそろ「そんな季節」になったことを知った。