K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Lee Morgan: Taru (1968) 撃たれなければ

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apple musicでジョン・ヒックスの参加作を適当に探していて、気に入ったアルバム。1980年代のテレサ・レーベルでのファラオ・サンダースのアルバムの魅力のかなりの部分が、ジョン・ヒックスの弾けながら突撃するピアノに負っている、と思っている。しかし本人のリーダ作になると、そこまでなかなか達していないようにも思う。これを感じている人は多いのではないか。

そんな経緯ではあったが、このアルバムは冒頭の音を聴いて欲しくなった。トランペットがカッコ良かったのだ。昔のガイドブックでは、キャンディとサイドワインダーを勧められたが、実は晩年のライトハウスなんかが好きだ。1970年代の音に変態しているのだ。このアルバムはその中間段階。撃たれなかったら、激動の1970年代も化石化しないでやったんじゃないかな、ショーターよりも5つも若いのだから。

このアルバムはお蔵入りした録音を1980年になってマイケル。カスクーナが発掘・発売したもの。当時、続々出ていたものの1つ。日本企画の発掘盤と違って、実にジャケットが素っ気ない。しかし、内容はお蔵、とは思えない。実にブルーノートらしい(ピアソンのプロデュースまでは)演奏。たまには、こんなアルバムが聴きたくなる。

次は久々にライト・ハウスを聴こうかな。

タル

タル

 

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Lee Morgan: Taru (1968, Blue Note)
A1. Avotcja One (John Hicks) 6:42
A2. Haeschen (Lee Morgan) 6:10
A3. Dee Lawd (Lee Morgan) 5:50
B1. Get Yourself Together (Lee Morgan) 6:23
B2. Taru, What's Wrong With You? (Calvin Massey) 5:16
B3. Durem (Lee Morgan) 7:28
Lee Morgan(tp), Bennie Maupin(ts), John Hicks(p), George Benson(g), Reggie Workman(b), Billy Higgins(ds)
Engineer :Rudy Van Gelder
Engineer [Re-mix] : Tony Sestanovich
Producer [Original Session] – Duke Pearson, Frank Wolff*
Producer [Produced For Release] – Michael Cuscuna
Recorded on February 15, 1968 at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey