Carter Jefferson: The Rise Of Atlantis (1978, Timeless Records)
A1. Why (V. Lewis) 7:40
A2. The Rise Of Atlantis (C. Jefferson) 6:55
A3. Wind Chimes (C. Houston) 7:25
B1. Changing Trains (C. Jefferson) 5:05
B2. Song For Gwen (C. Jefferson) 7:22
B3. Blues For Wood (W. Shaw) 6:18
A1-A3: recorded on December 23, 1978.
Carter Jefferson(ts, ss), 日野皓正(tp, flh),Harry Whitaker(p), Clint Houston(b), Victor Lewis(ds, perc), Steve Thornton (perc), Lani Groves(vo. A1)
B1-B3: recorded on December 27, 1978.
Carter Jefferson(ts, ss),大野俊三(tp, flh),John Hicks (p), Clint Houston(b), Victor Lewis(ds, perc)
Engineer: Elvin Campbell
Producer: Woody Shaw
Producer [Associate] : Maxine Gregg, Michael Cuscuna
Both recorded at CI Recording Studio, NYC.
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1970年代ジャズを代表する一人はコロンビア時代のウッディ・ショウだと思っている。ハンコックやショーターらのような「大物」は時代を超越している感があり、デビューから今まで、絶え間なく「インパクト」を与え続けている。ではなくて、1980年あたりをピークとする 1970年代ジャズ、ポスト・フリーの主流派ジャズの中心的な奏者という意味だ。当時のSJ誌が唱えた新伝承派と呼ばれたジャズに違和感を感じているので、それと似て非なるジャズの意味で、 1970年代ジャズという言葉を使っている。
その代表奏者の一人がショウであり、あるいはアダムス・ピューレンとその周辺の奏者、だと思っている。
当時のショウの相棒がカーター・ジェファーソン。当時から気にはなっていた:
そんな彼のリーダー作は1枚。蘭Timeless(Enjaと同じくらい好きなレーベル)からの「アトランティスの浮上」、凄いタイトルだな。ショウがプロデュースで、ショウの代わりのラッパに、A面が日野皓正、B面が大野俊三。その意味でも注目。もうひとつ、B面のピアノがジョン・ヒックスも注目。
このアルバム全体を通して、メンバーの自作曲でこれらが1970年代ジャズの麗しい匂いを放っている。ショウの曲と似たような分かりやすいテーマから燃えるようなアドリブ、という構成。ダラッとしたアドリブ大会ではない。
特にB面、やはりヒックスの速度感が素晴らしく、最後まで飽くことなく聴き入ってしまった。中量級の奏者なのだけど、その軽めのブロウに合わせた曲との相性がぴったり。ショウ抜きではあるがショウ盤の番外編、の趣。我らが日野・大野組はその枠の中で抑制的な演奏に終始しているが、音色がとても良いので満足。
再発CDも廉価盤で出ているので、今更ながらの注目盤じゃないかな。