K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

日野皓正: Mr.Happiness / Slipped out (1973) ウッディ・ショウやチャールズ・トリヴァーらと同時代を

TERUMASA HINO / 日野皓正 / MR.Happiness / Slipped Out / ミスター・ハッピネス/スリップド・アウト(2CD)

日野皓正: Mr.Happiness / Slipped out (1973, Siuper Fuji Disc)
(Disc 1)
1.Pre-Dawn
2.Mr. Happiness
(Disc 2)
1.Feeling Blue As You Feel
2.Slipped Out
3.Stella by Starlight
日野皓正(tp), 益田幹夫(p), 池田芳夫(b), 日野元彦(ds), 今村裕二(perc)
録音:及川公正

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年の瀬にこんなに素晴らしいアルバムを聴くことができるとは思わなかった。実は存在すら知らなかったアルバム。ネットでその存在を知って、内容の良さは容易に想像できた。

・山下洋輔の発掘盤と同じく、オープンリール販売の音源で音質は極上に間違いない。

・何よりも大好きなアルバムであるベルリンの後の日野皓正。悪かろう筈がない。直球で吹き抜ける日野皓正を聴くことができる。

・ワンホーンのアルバムは案外少ない。それがまた楽しみ。

・益田、池田、元彦のリズムセクションも抜群ではないか。最高のドライヴ感の予感。

そんなところかなあ。

聴いてみると、まさに予想通り。しかも期待値の5割増しくらいの音圧、スピード感、ラッパの美音に参ってしまった。

ゆったりとした曲での日本のジャズ固有の空気感、もいいし、マッコイ・スタイル全開で突っ走る益田幹生の速度感も実に良い。ベルリンから藤での、やや熟れていない印象もあるフリー的な音も、ここでは柔らかく・鋭く消化されている印象で、実にスムース。

ウッディ・ショウやチャールズ・トリヴァーらと同時代を駆けた奏者なんだなあ、と聴き入ってしまった。で、日本のジャズの空気感もしっかりあるのだから、もう堪らないなあ。

Mr.HAPPINESS/SLIPPED OUT

Mr.HAPPINESS/SLIPPED OUT