日野皓正: Alone, Alone And Alone (1967, Tact==> Nippon Columbia)
A1. Soulful (日野皓正) 10:38
A2. Alone, Alone And Alone (日野皓正) 7:37
B1. Summertime (G. Gershwin) 7:39
B2. Downswing(日野皓正) 3:21
B3. B-Lunch(日野皓正) 8:07
日野皓正(tp), 大野雄二(p), 稲葉国光(b), 日野元彦(ds)
Recorded at Teichiku Kaikan Studio, Nov. 16, 17, 1967.
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ボクは1968年以前の日本のジャズに関心はない。1969年以降の「日本のジャズ」のアイデンティティが明確に見えるもの、のほうが100倍面白い。佐藤允彦のパラジウム、山下洋輔のダンシング古事記、宮沢昭のいわな、富樫雅彦のWe now createなどなど。溢れるように飛び出してくる。
彼らよりも人気では先行していた日野皓正にそれを感じるのはベルリンあたり、1971年。渡辺貞夫はモントルーとかround tripで1970年あたりか。いずれにしてもTactレーベルには食指は動かない。
Tactの日野皓正は、ブルーノート4000番台的な曲調が鼻につく。1960年代の「本場のジャズ」指向のレコードだから仕方がない。リー・モーガンあたりの匂いとか、ESPあたりのマイルスの匂いとか、が濃厚。
このアルバムのA面は例外。日野皓正の自作曲がリリカルに吹かれ、華がある大野雄二のピアノがまた美しい。勿論、まだ米ジャズ的な匂いはあるが、自作曲・演奏の魅力がそれを凌駕する。内的には1970年代の素晴らしいアルバム群の音世界を持っていた、ということなんだろう、と思う。
片面だけだけど、極上のワン・ホーン・アルバムが日本にある、ということでもあるのだ。