日野皓正: 寿歌 Hogiuta (1976,East Wind)
A1. 暁光 Gyohkoh (日野皓正) 4:17
A2. 豊穣 Hohjoh (日野皓正) 5:11
A3. 融和 Yuhwa (日野皓正) 4:13
A4. 寿歌 Hogiuta (日野皓正) 4:23
A5. 悠久 Yuhkyu (日野皓正) 1:39
B1. 妖精 The Good People (日野皓正) 15:05
B2. 終焉 Conclusion (日野皓正) 6:43
日野皓正(flh, tp, perc, voice), Cecil McBee(b, voice), 日野元彦(ds, perc, voice), James M'tume(conga, voice)
Engineer: David Baker, Yoshihiro Suzuki
Producer: Kiyoshi Itoh, Yasohachi Itoh
Executive-Producer: Toshinari Koinuma
Recorded May 18,19 and 23, 1976 at Vanguard Studio, NYC
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最近、再び1970年代の日野皓正を聴いている。渡米後、多くのアルバムで客演しているが、やはりリーダ作がよい。
これもとても好きなアルバム。何よりもセシル・マクビーと先日逝去されたジェイムス・ムトゥーメの参加がアルバム全体の曲調と見事にハマっていて素晴らしい。新しい日本の民族音楽的な志向ではあるが、思念先行で滑っているような印象は全くなく、日本の土着的な音の身体性を抜き出したような、不思議な音世界になっている。その前にもその後にもない不思議な味わいの音、日野皓正のアルバムにも他のアルバムにもない、のように思える。
だから彼の音の一つの頂点ではなかろうか。このアルバムの少し前、マイルス・デイヴィスがアガルタ、パンゲアで頂点を迎えたファンク、彼らの「民族性」の極北的な到達点、と対をなす日本の奏者の答え、のようにも思える。身体のあり方、の違いを思わせる。
このような高みに至った後、その奏者はどのような音を創るのだろうか。それを確かめるのが怖くて、しっかりと聴いていないような気がする。ごめんなさい。