日野皓正: Taro's Mood (1973, Enja records)
2 x CD
(Disc 1)
1. Alone, Alone And Alone (Terumasa Hino) 14:16
2. Taro's Mood (Terumasa Hino) 12:47
3. Black Daffodil (Mikio Masuda) 12:33
4. Predawn (Terumasa Hino) 25:32
(Disc 2)
1. Stella By Starlight (Ned Washington, Victor Young) 7:47
2. Cycle Circle (Terumasa Hino) 13:56
3. . Lullaby (Terumasa Hino) 6:34
日野皓正(tp), 益田幹夫(p), 池田芳夫(b), 日野元彦(ds), 今村佑司(perc)
Recordeing: Jürgen Koppers
Producer: Matthias Winckelmann
Remaster: Thorsten Scheffner
Recorded date: June 29, 1973.
Recorded live at Jazzclub Domicile, Munich, Germany.
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西独Enjaのアルバム。ドイツでのライヴ録音で、とても音がよく、演奏と相まり楽しい。CDが追加テイクを含む2枚組。レコードを持っているが、CDのほうがライヴ収録という観点から完璧。捨てが全くない。
1971年から1973年の日野皓正のライヴは凄まじい。1971年のバンドは日野皓正(tp), 植松孝夫(ts), 杉本喜代志(g), 池田芳夫(b), 日野元彦(ds)。1973年は植松、杉本が抜けて、益田幹夫(p), 今村佑司(perc)が入っている。
杉本、植松のソロが光る1971年のライヴも良いし、ピアノ・トリオ+打楽器のリズム・セクションに単管で吹きまくる1973年のライヴも素晴らしい。フリーでも主流派でもない、日本のジャズの音が冷たく燃えている。
TBMのLive!、発掘盤のMr.Happiness/Slipped outも同じメンバーであるが、全く聴き飽きしない。音の圧が凄まじいのだ。
この圧、音が強い、という意味ではない。弱音からハイ・ノートまで音量と関わりなく聴き手に迫りくる音、という意味。聴き出すと心奪われる。
1970年代の日野皓正は、やはりcity connectionで脱力するのだけど、それ以外はとても良い。そのなかで1971年から73年は若さが振り切れている感もあり、そして共演者が触発されて燃える様が素晴らしい。聴くべし。