渡辺香津美をはじめて聴いたのは日野元彦の流氷。その後、KYLYN LIVEかな。あまりクロスーヴァーは聴かなかったから、spice of lifeで気持ちのハマルまで、あまり聴かなかったが。
これは昨日届いたアルバムのうちの1枚。
最近まで存在を知らなかったアルバム。メンバーをみて、レコードでの入手の機会を窺っていた。植松孝夫, 市川秀男, 鈴木良雄, 日野元彦だからね。再発のアルバムが安価に出ていたのでようやく入手。
A面は渡辺香津美の曲。1970年頃のマイルスの影響がモロの曲からスタート。A面は植松孝夫抜きで残念。しかし市川秀男, 鈴木良雄, 日野元彦が叩き出すドライヴ力の強さに瞠目。全くの狙い通りで嬉しい。鈴木良雄の電気ピアノが実に良く走って行くし、日野元彦が熱く煽りまくる。コリアとデジョネットを感じる瞬間もあるが、特にA面2曲めでは日本のジャズらしい感じで嬉しくなってしまう。当時17歳の渡辺香津美も、そんなメンバーのなかで存在感を失っていないので、これも凄い。
B面はヘンダーソンとかドーハムの曲。いきなりの植松孝夫のブロウ。実に音が太く、聴きたい音が正面から飛びだし嬉しい。それにしても後ろの日野元彦が叩く叩く、いや凄い。植松孝夫+日野元彦の日野皓正のベルリンでのライヴが聴きたくなった。植松孝夫のソロが終わると、渡辺香津美が飛び出す。植松孝夫に負けぬ音圧で聴かせる17歳。そんな感じで、何処を切り取っても美味しいアルバム。
全体を通して市川秀男の電気ピアノの音響と日野元彦の押しの強さに魅了されたアルバム。1970年代はじめの日本のジャズの熱気の塊。
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渡辺香津美: Infinite (1971, 東芝express)
A1. Infinite(渡辺香津美) 10:59
A2. Cortly(渡辺香津美) 4:34
B1. Isotope(Joe Henderson)7:03
B2. Blue Bossa(Kenny Dorham)5:49
B3. Here that Rainy Day(James "Jimmy" Van Heusen) 3:52
渡辺香津美 (g), 植松孝夫(ts on B1, B2), 市川秀男(p), 鈴木良雄(b), 日野元彦(ds)
Recorded at Teichiku Studio 19, May, 1971