K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

土岐英史: Toki (1975) セッション79の擦り込みを割り引いても

土岐英史: Toki (1975, Three Blind Mice ==>CRAFTMAN RECORDS)
Three Blind Mice:: TBM-46
A1. Lullabye For The Girl (土岐英史) 11:10
A2. Darkness (土岐英史) 10:03
B1. Blues (Ornette Coleman) 8:17
B2. When Sunny Gets Blue (Jack Segal, Marvin Fisher) 5:39
B3. Old Song Blues (土岐英史) 5:40
土岐英史(as,ss), 渡辺香津美(g), 井野信義(b), Steve Jackson (ds)
Engineer: 神成芳彦, 大川正義
Producer: 藤井武
Recorded May 17, 1975 at AOI Studio, Tokyo.

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先日、現代にしては若く亡くなった土岐英史の36年前のアルバム。健在の今田勝より、2 decades下で、私と1 decade上。ドキっとする。

TBMに惹かれるのは、毎週聴いていたNHKの「セッション79」の擦り込みなんだろうな、と気がついている。まさにTBMの世界の音だったように思う。1979年になると、TBMも初期の熱情が細っているようにみえるのだけど(既に日本フォノグラム傘下で、独立系ではなくなっている)。それでも、1970年代初頭の熱気の延長線。

そのなかで土岐英史は割と甘いサックスを吹く印象を持っていた(単なる記憶)。あるいは1980年代後半に本牧ジャズ祭で聴いた記憶かもしれない。

しかし、このアルバムを聴くと、そんな頼りない記憶は吹っ飛んで、鋭く、太い音色、豊かで仄かな日本のジャズの匂い、最高じゃないか。このアルバム。フィル・ウッズの速度感を維持しながら、過剰な音数を抑えた感じ、というか。

渡辺香津美が流すギターの音色もよく、フェンダーローズが気持ち良い、と同じ感触でまた別の美味しい音空間を鳴らしている。井野信義のベースも控えめながら強い存在感を出していて、いや凄い。

昨日は今田勝のNOW!を随分聴いたが、今日はTOKI。いや良かったなあ、セッション79の擦り込みを割り引いても。

 

トキ

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