K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

本田竹彦(竹廣):破壊と叙情(1969) 日本のジャズと感じさせる何か

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本田竹彦(竹廣):破壊と叙情(1969, Owl wing records)
A1.破壊と叙情
A2.Minton blues
B1.Quiet sea
B2.Ain’t tell you a good way but
本田竹彦(p), 萩原栄治郎(b), 村上寛(ds)
on B2:
峰厚介(as), 今井尚(tb), 伏見哲夫(tp)
Recorded at Kinokuniya Hall ,Tokyo 1969.9.26
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レコードデビュー前の本田竹廣の発掘音源。本田竹廣は24歳。

1969年、記録された音源を辿ると、はっきりと1968年との間に破断線が入る。今の日本のジャズに連なる音が湧き出た年だ。このアルバムも数多の70年代日本ジャズそのものだ。熱い、そして若い。

だから、後年の本田竹廣と変わらぬ姿があるのだけど、ライヴでの臨場感が生々しい。多分、カセットテープの録音でダイナミックレンジは狭く、音が押さえつけられている。そしてフォルテシモでは明らかに歪んでいる。まあダメな録音なのだけど(録音バランスはとても良い)、そのようなことですら、本田のピアノの熱量の表現ツールと感じさせる、凄みがある。CDではなく、レコードで聴く意味は全く不明なのだけど(やれやれ)、ダイナミックレンジ的にレコードの器との相性はいいだろうな。

冒頭からマッコイ・タイナーの影響は強く感じるが、それだけではない何か、それが日本のジャズと感じさせる何か、が濃厚。そしてライヴ録音を今になって愉しむことできる、嬉しい。

追記:

DUを訪れたときに入荷。異様な価格(と書く)に迷って見送ったが、大友良英の番組で聴いて入手。DUでは売り切れ、結局、レーベル直販で。送料が余分にかかってしまった。

破壊と叙情

破壊と叙情

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