K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

BlankFor.ms: In Part (2023) 音楽の始原的な有り様に遡行するような

BlankFor.ms: In Part (2023, Mystery Circles)
A1. Ardor (Part One) (BlankFor.ms) 4:11
A2. Ardor (Part Two) (BlankFor.ms) 4:07
A3. Inside (BlankFor.ms) 9:01
B1. Formal (Parts One and Two) (BlankFor.ms) 8:19
B2. Round (BlankFor.ms) 3:33
B3. Roam (Featuring – Colloboh) (BlankFor.ms) 4:26
BlankFor.ms (electronics)
Recording, Mixing: BlankFor.ms
Mastering: Taylor Deupree
--------------------------------------------------------

ジェイソン・モランとのRefactが、あまりにも良かったので、BlankFor.ms(タイラー・ギルモアのソロ・プロジェクト)を、もう少し聴くことに:

Bandcampに掲載されたサイトから、国内のディラーにレコードを注文(DLコード付き):

内容的にはアンビエント。最近、そっち方面もジャズ周縁からハミ出て聴いているので、面白く聴くことができる。というか面白い。

今朝、聴いていて感じたのは、人が生まれてから認知する音の履歴を辿っていく、それを短時間に凝縮している、それが面白みだと強く感じた。だからアンビエントがフィールド・レコーディングとの相性が良いのだな(この録音にはないけど)、とか思いながら聴いていた。肉親に抱かれたときの鼓動とか、窓の外から飛び込む騒音、彼方から聴こえるピアノの音の輪郭、工事の作業音、人の認知の基底に潜んでいるそんな記憶を刺激し、得体のしれない感情を惹起する、その違和感、のようなものを愉しむ。

音楽の始原的な有り様に遡行するような作曲行為。

高度に構造化されて失われてく大衆芸能としてのジャズの愉悦。それを脱構造的に音が作られるアンビエントとの接触で、Refactの魅力が生まれているのかな、と思った。


 

open.spotify.com