K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

笹久保伸: Chichibu (2021) 圧倒的にECMより良い音響空間

笹久保伸: Chichibu (2021, Chichibu label)

A1. Cielo People (feat. Sam Gendel)
A2. Arorkisne, una cancion de febrero (feat.Joana Queiroz)
B1. Luz ambar (feat. Mônica Salmaso)
B2. Rioella (feat. Antonio Loureiro)
B3. Lilium (feat. marucoporoporo)
B4. Chichibu (feat.Frederico Heliodoro)
笹久保伸(g)
Engineer: Noritaka Yamaguchi
Recorded at Studio Joy
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最近、音楽評論家を評論、でちょっとした波風?の笹久保伸のアルバム。

件の評論家は登場時に、年長のジャズの聴き手全体にステレオタイプなイメージを被せて、随分な侮辱を行っていた記憶はあるので、まあ、なんともの話ではある。

このアルバムを取り上げたのは、そんな意図ではなく、ECMの近作を聴く中で音響空間の駄目な感じに嫌気が強まっていて、今の音はどうなの?と探した結果。

もう圧倒的にECMより良い。レコード盤のダイナミックレンジを使い切りつつ、アコースティックな音の質感を美しく残している。実に美味しい。

演奏はカルロス・アギューレやファン・キンテイロの味わいの延長線にある、微温のラテン音楽の流れ。共演者と上手く溶け込んでいて、(多分、コロナ期のリモートでの共演だろうが)実に良い仕上がり。演奏と録音の整合が完璧で、気持ちが良い。

また曲ごとに異なる共演者ではあるが、アルバムとしての統一感は損なわれていない。聴こえるのは作者の色そのもの、だからなのだろう。秩父、の民俗性が聴こえるのかどうか、よく分からないが。

暫し、ヘビロテ盤確定。彼のレコードを追加注文した。



CHICHIBU

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