K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

金沢・東山「ゴーシュ」,「Ryomon」梅雨の候には静かにしっとりと


ゴーシュは宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」.イーハトーヴは岩手なんだけど,あの世界が生み出された大正時分の地方都市の空気が金沢には濃厚に残ってい るのだろう.凄く気持ちに合う部分がある.
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梅雨の候に入って,妙に気分が雨降りと気持よく同期している.バカだなあと思いながらも,雨が降ればさ歩いて,止めば自転車で駆け抜ける.気持ちのよい日が随分多いのだ.そんなときに片町あたりで呑むのもいいのだけど,徹頭徹尾,気分を揃えようとすると,石畳のうえの灯火が仄かに落ちる夜半前の東山というのは,とても素敵な場所なのだ.

東山では「れのん」や「照葉」には何回か行ったことがあったので,今度は「ゴーシュ」と「Ryomon」.こんな気分で出かけているので,食べ物なんかを写真に撮る気分になっていない.いずれも,静かな場所の静かな店で,時間がとてもゆっくりと流ることを確かに感じることができる.

(1)「ゴーシュ」
東の茶屋街の表通りから一歩入った静かな場所に灯がみえる.町屋を上手にあしらったバー.畳に座って,ゆっくり頂く一杯はとても気持ちよし.そんなに静かではない他の客の会話が低く流れて抜ける様は,日本家屋の音響が静かに呑むことに向いているのだなあ,と感じさせた.すっぽりと静寂の袋を被ったような感覚.早々に失礼したような気がするのだけど,存外に長い時間おりました.



(2) Ryomon
「ゴーシュ」と同じ並びにあるビストロ.中に入ると,町屋の空間に大きなカウンタがしつらえてあり,眼の前で腕を奮ってくれる.遅い時間に行ったので,軽い食事(パスタ)で一杯.美味しくパスタを頂いたが,主菜の実力は今度確かめなきゃ,という気持ち.他に客がいなかったこともあるが「ゴーシュ」と同じく音を吸いとるような日本家屋での食事はいいなあ,と思った.