K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Robert Glasper: Everything's Beautiful (2016) レコードで聴いてみた

  月曜日、新宿でLPレコードを買った。結論からいうと正解。非常に音が良い。「グラスパのアルバムとして」、とても楽しむことができる。

 音の分解能が高いので、音の構成要素をじっくり聴くも、もともとのトラックの雰囲気のようなものは分からなかった。それだけ、無理なく今のアルバムとして完成しているのだ。

 マイシャについては、原曲の雰囲気とエリカ・バドゥの唄の調和が素晴らしい。それでも、どの音がマイルスのトラックかは、全く分からない。あとはマイルスを題材にしたBlack Radio 3なのだ。と感じさせる部分が最も楽しめる。

 

[2016-05-21記事] 楽しめるアルバム(だけど)

 サン・フランシスコのホテルで休憩中。少し横になったら、楽になった。レコードでも見に行こうかと思う。

 BGMでかけているのは、apple musicで全曲聴くことができるようになったRobert GlasperのEverything's Beautiful。

 Columbaに残されたマイルス・デイビスのトラックをベースに、re-mixしたもの、らしい。だから Miles Davis とRobert Glasperのcreditになっている。全曲、聴いてみた。楽しめるアルバム。

 だけど、マイルスの元トラックの匂い、のようなものは感じないなあ。Maiyshaだけは、Get up with itの、あの伸びやかな曲調が十分味わえ、またエリカ・バドゥの唄もよくて、ソニー・フォーチュンのフルートじゃなくてもいいなあ、って感じかな。付け足しのエレピは違和感あるけど。

 そんな訳で、あまりマイルスを気にせず楽しめばいいアルバムじゃないか、と思う。かつて、ビル・ラズウェルのre-mixで出たアルバムで感じたような、マイルスの音楽が内包していた様々な要素を開いて見せた部分、を期待しなければ。マイルス味のお菓子のようなアルバムで、これで満腹しようとは思ってはいけない。副食なのだ。それは決して悪いことではなくて、音楽の楽しませ方の一つじゃないかと思うのだ。

 

itun.es

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Miles Davis & Robert Glasper: Everything's Beautiful (2016, SME)
1. Talking Shit (Miles Davis & Robert Glasper)
2. Ghetto Walkin' (Miles Davis, Robert Glasper, Bilal)
3. They Can't Hold Me Down (Miles Davis & Robert Glasper feat. Illa J)
4. Maiysha (So Long) (Miles Davis & Robert Glasper feat. Erykah Badu)
5. Violets (Miles Davis & Robert Glasper feat. Phonte)
6. Little Church (Remix) (Miles Davis & Robert Glasper feat. Hiatus Kaiyote)
7. Silence Is the Way (Miles Davis & Robert Glasper feat. Laura Mvula)
8. Song for Selim (Miles Davis & Robert Glasper feat. KING)
9. Milestones (Remix) (Miles Davis & Robert Glasper feat. Georgia Ann Muldrow)
10. I'm Leaving You (Miles Davis & Robert Glasper feat. Ledisi and John Scofield)
11. Right On Brotha (Miles Davis & Robert Glasper feat. Stevie Wonder)

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