K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Earl Hines: Fatha (1965) ANA国際線のイーグル後藤セレクション

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 先月のANA国際線のイーグル後藤セレクション。新しいのから古典まで幅広い。そういうときは、とにかく知らない奏者、知らないアルバムを聴いて、面白いことを見つけようと思っている。

 そういいながらも、先日のベトナム・タイへの出張は出発前から体調は芳しくなくて、映画や音楽は控えて、眼を閉じてエンジンの轟音だけ聞いていた。帰りは夜行便。ワインを呑んでさっさと就寝。

 4時間弱の睡眠の後、朝食。珈琲を呑んで、気持ちを切り替える。案外、元気だったので、後藤セレクションを眺めるとアール・ハインズ。実は聴くのは初めて。このアルバム。ボクが聴くモダン期以前の奏者限られていて、ベイシー、エリントン、コール、アームストロング、ハンプトン、ヤング、ホーキンス、そのほか何人かの歌い手くらいか。たまに聴くと、大衆音楽としてのジャズの輝き、そのなかに衝動としての音の躍動のようなものが潜んでいて、楽しめることが多い。

 このアルバムもまさにそうで、モンクのような強い・結晶の破片のような煌めくタッチで、パウエルのような流麗な音の流れ。美しいピアノの音がスモークされたような味わい。痺れてしまった。

 しかも、うち2曲は唄う。セントジェームス病院。浅川マキが唄っている曲。原曲はアームストロングで有名なようだけど、良かったなあ。

  帰国後、レコードを入手。英国のモノラル盤。実はとても安価だった。Discogsでの情報では米盤はステレオしか掲載されていない。単に1965年当時のプレスをすぐ入手したかっただけだけど。音は実に美しいし、音圧が高いし楽器との距離が近い。ピアノの打音がキラキラしている。レコードを聴く快楽そのもの。あまり騒がれない分野だし、お得感満点だった。

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Earl Hines: Fatha (Columbia, 1965)
A1. Frankie And Johnnie
A2. The Girl From Ipanema
A3. Believe It Beloved
A4. Louise
A5. St. James Infirmary Blues
A6. Avalon
B1. Breezin' Along With The Breeze
B2. Frenesi
B3. Broadway
B4. Trav'lin All Alone
B5. At Sundown
B6. Runnin' Wild
Earl Hines(p, vo), Ahmed Abdul-Malik(b), Oliver Jackson(ds)
Producer: Frank Driggs
UK CBS: – BPG 62527
Mono

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