K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bob Neloms: Pretty Music (1982) 麗しいジャズの薫り

f:id:kanazawajazzdays:20180509073239j:plain

こないだ聴いヒュー・ローソンのレコードと同じ匂い、1980年頃の空気に溢れている。当時、ロフト・ジャズからIndia Navigationあたりの音を聴いて、少し難しいなあと思ったのが不思議な程、ジャズの王道だなあと感じる。その後、王道にはなっていないのだけど、やはり王道だ。その後の主流派ジャズの奏者達を、雑誌で新伝承派なんて訳のわからない名称で呼んでいたが、いやIndia Navigationあたりの奏者こそ、とても伝統的なジャズの担い手だったのだ。過去からの蓄積と発展、何よりもスタイルを越えて渋く煌めくグルーヴの感覚。奏者から奏者へと、世代を繋ぐ伝承。現在のフリージャズ系の奏者達もその流れの中に居る。確かにAACM系の古い猛者と若手の共演を聴くと、その交感の麗しさに震える感覚、もある。

1942年生まれのボブ・ネロモスは寡作。リーダ作はこのIndia Navigation盤のみ。あとはリッキー・フォードとかミンガス少々。

Bob Neloms - Wikipedia

しかし、ヒュー・ローソン、ジョー・ボナー、ジョン・ヒックス、ドン・ピューレンなど、あの時代に輝いたピアノ奏者と同じ匂いを纏っている。その匂いが何か考えていたのだけど、それが前述の内容。麗しいジャズの薫り、なのだ。そう、このレコードのタイトルPretty Music そのものなのだ。聴くべし。

追記:

安レコードとして入手したが、どうもデッド・ストックが入荷したものらしい:

------------------------------------------------------------

Bob Neloms: Pretty Music (1982, India Navigation)
A1. This Is How I Feel About You 5:08
A2. The Mystic 4:55
A3. I Thought About You 6:25
A4. Who Can I Turn To? 4:15
A5. A Flat Blues 5:46
B1. Bobby's Bossa Nova 2:50
B2. Mother Love 5:30
B3. The Illusion Waltz 4:20
B4. Non Sense 5:46
B5. Black Light 7:20
Bob Neloms(p)
Producer: Bob Cummins