K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Don Pullen: Solo Piano Album(1975) 汽水域の音、の美味しさ

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1970-80年代のジャズピアノばかりを聴いている。今朝はドン・ピューレン。
1980年頃、ジョージ・アダムスとの双頭バンドがまさに旬で、Timeless盤はよく聴いたなあ。ダニー・リッチモンドとかジョージ・アダムスとか、ミンガス・バンド絡みの奏者達って、フリー・ジャズという川の流れが、河口でジャズという海と出合い・混じり合ったような、謂わば汽水域の奏者達、のような印象。海であり、海でなく、川であり、川でなく、双方を自然に遷移している。このアルバムでのピューレンもそんな汽水域の音、の美味しさ、を愉しませてくれる。

アダムスとのピューレンは打楽器的で音数が多い印象が強いが、A面では控え目の音数でピアノの音の美しさを十分聴かせる。リチャード・エイブラムスへ捧げた1曲目の優しい眼差し、には驚いた。彼らしい打楽器的なタッチを少し柔らかくした感じが堪らなくイイ。2曲目もそう。

B面はアダムスとの演奏に近く、逆に面白味が減っている。ちゃかちゃかした印象。やや形骸化した「フリー的演奏」(アダムス・バンドの欠点)に聴こえる部分がある。

だけど、この時代の音はいいなあ。

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Don Pullen: Solo Piano Album(1975, Sackville Recordings)
A1. Richard's Tune (Dedicated To Richard Abrams) 8:22
A2. Suite (Sweet) Malcolm (Part I - Memories And Gunshots) 15:34
B1. Big Alice 10:03
B2. Song Played Backwards 9:05
Don Pullen(p)
Recorded at Thunder Sound Toronto on February 24, 1975