昨日、ディスクユニオンで見つけたレコード。発売当時は普通に見かけて、日本盤もあって。この数年気にしていたが、なかなか見つからなかった。だから横浜で捕まえたときは嬉しかったなあ。そんなに希少盤とも思わないが。
何が良いって、ジャケットがまず格好良い。飾りたくなる。Henry GrimesのESP盤に通じるジャケットが力強い。 ジャケットが悪い駄盤、はないのだ。
聴いてみると、やはりジャケット通り。冒頭の太いベースソロ、一瞬の息を呑むような沈黙、美しい。そしてフリーマンのバスクラとパルス的なドラムが緻密に音を詰めていく、このアンサンブルを背景にベースが語る。実に格好良い。
2曲めで前面に出るピューレンのピアノがまた格好イイ。アダムスとのアルバムのようにパキパキ弾いてはいない。あの乾いたようなピアノがゆっくりと音響的な美しさを聴かせる。マクビーは爪弾いても、弓を引いても、低音がずっしり響き渡る。
全編を通し、マクビーの作曲・編曲が効いていて、これがいいのだ。だからフリージャズ(あるいは当時のロフトジャズ)の音を素材としているのだろうが、アヴァンギャルドな空気よりも、主流派的なジャズでの、当時の最先端の音という趣。精緻さは当時のECMの音にも通底していて、面白い。
こんなアルバムを大きな音で鳴らしていると、ジャズを聴いていて良かったなあ、としみじみ思う。そして、この頃のジャズの力強さに痺れるのだ。入手したから強調するけど(ずるい!)、レコードで聴くべし!
Cecil McBee - Alternate Spaces 1/5 - Alternate Spaces
Cecil McBee - Alternate Spaces 2/5 - Consequence
-------------------------------------------------------------------
Cecil McBee: Alternate Spaces (1979, India Navigation)
A1. Alternate Spaces(Cecil McBee) 9:05
A2. Consequence(Cecil McBee) 8:15
B1. Come Sunrise(Cecil McBee) 6:43
B2. Sorta, Kinda Blue(Cecil McBee) 4:07
B3. Expression(Cecil McBee) 7:13
Cecil McBee(b), Joe Gardner(tp), Chico Freeman(sax, b-cl), Don Pullen(p), Allen Nelson(ds), Famoudou Don Moye(perc)