K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Sam Rivers: Emanation

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Sam Rivers: Emanation (1971, Nobusiness records)
1. Emanation. Part I 31:09
2. Emanation. Part II 45:32
Sam Rivers(ts, ss, fl, p), Cecil McBee(b), Norman Connors(ds)
Original recording produced by Ed Michel
Re-mastered by Arūnas Zujus at MAMAstudios
Recorded 3rd June, 1971 at the Jazz Workshop, Boston

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サム・リヴァースって、ロリンズやマイルスよりも年長である、ということに驚く。1960年代に出てきた奏者、という印象があるから。と、同時に1970年代にはロフト・ジャズとの関わり、彼自身の時代の先鋭とも云える演奏からの印象もある。バップ開始の頃には成人していた、ということに驚いてしまう。

このアルバムはそんなリヴァースが50代に入った頃の演奏。Nobusiness recordsからの「発掘盤」なのだが、これは良い。リヴァースの魅力、太いテナーの音色での細かな音の累積、それにより将来される過度でない昂奮。そんなリヴァースを支えるマクビーとコナーズの熱量を孕んだ打音。モダン・ジャズとフリー・ジャズを繋ぐような、そんな沃野に音を紡いでいる印象。素晴らしい熱量のアルバム、美味しいなあ。

デイヴ・ホランド、バリー・アルトシュルの乾いた抽象的な音も良いし、このアルバムでのような粘った身体的な音も良い。面白いなあ。

録音も実に良く、演奏を楽しむことができる。

Emanation - June 1971, Jazz Workshop, Boston

Emanation - June 1971, Jazz Workshop, Boston