Jeanne Lee: Conspiracy (1974, Earthforms Records==> Moved-By-Sound)
A1. Sundance (Hazelton, Lee) 4:40
A2. Yeh Come T' Be (Lee) 7:05
A3. Jamaica (Gregg, Lee) 6:05
A4. Subway Couple (Hampel, Gregg, Lee, Rivers, McCall) 2:55
B1. The Miracle (Lee) 2:10
B2. Your Ballad (Hampel) 6:40
B3. Angel Chile (Lee) 6:50
B4. Conspiracy (Hampel, Gregg, Lee, Rivers, McCall) 11:55
Jeanne Lee(voice), Gunter Hampel(fl, p, vib, cl), Mark Whitecage, Sam Rivers(ss, ts, fl), Allan Praskin, Perry Robinson (cl on B2), Marty Cook(tb on B2), Jack Gregg(b), Steve McCall(ds)
Recorded by [Ensemble Tracks] George Klabin
Recorded by [Solo Tracks], Mixed by Jan Rathbun
Producer: Jeanne Lee, Mait Edey
Ensemble tracks recorded by: George Klabin, Sound Ideas Studio, New York, February 1974.
Solo tracks and mix by: Jan Rathbun, Blue Rock Studio and Good Vibration Studio, April and May 1974.
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素晴らしい声の演技の記録。囁き、呻く。背景音にフリー・ジャズが断片化されて散りばめられている。
ブリジット・フォンティーヌの場合、それが地中海越しに北アフリカに接続されているフランスの地勢、の暗喩のように響いていた。フォンティーヌの声の背景にエキゾティシズムを添えている。そこが魅力であり、そこに惹かれる自分に引っ掛かるものがあるところだ。
このアルバムはエキゾティシズム、のようなものは一切感じさせない。添えられたフリー・ジャズ、のような音は、始原の音楽のような、淡い祝祭感を醸し出している(ハンペルのヴァイブには若干の違和感)。時に、声よりも迫り出す楽器の音艶が気持ち良い。
そんな音空間のアルバムではあるが、空転した観念のようなものはなく、儚い夢のスナップショットを聴くような、不思議な感覚だけが残った。
再発盤について:
この再発アルバムは、音源にレコードを使っているのではないか。当時の荒っぽい米盤をトラックしたときの盤面の歪み、による周期的な超低音のうねり、が入っている。しかし再生音は素晴らしく、そのような異音を含め、レコードで聴く愉しみを十分与えてくれた。注文は半年以上前だが、レコード盤の需給逼迫、プレスミスによるやり直し、により遅れたが、満足。
その他:
このアルバムの中にTBMでリーダ作があるアラン・プラスキンの名前が。ほとんど見かけることがない奏者なので、驚いた。
レコードは売り切れたようだが、ディジタル音源はbandcampで。