K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Don Pullen: Plays Monk

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Don Pullen: Plays Monk (Paddle Wheel, 1984)
A1. Well You Needn't (Thelonious Monk)
A2. Round Midnight (Thelonious Monk)
A3. Monkin' Around (Don Pullen)
B1. Trinkle Tinkle (Thelonious Monk)
B2. Gratitude (Don Pullen)
B3. In Walked Bud (Thelonious Monk)
Don Pullen(p)
Engineer: David Baker
Engineer [Assistant] : Carl Seltzer
Producer: Masahiko Yuh
Recorded October 11, 1984 New York.
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悠雅彦プロデュースのキング盤。実質的にWhynotの続きのようなアルバム。まだ日本国内のジャズフェスティバルでアダムス・ピューレン・カルテットが人気を博す前、Timeless盤で知られるようになった頃じゃないかな。

ピューレンのソロははじめてじゃないけど、やはりモンク曲集となると関心は湧く。打鍵が打楽器的ということで、「モンク系」的なぼんやりした意識(脳内の番地)があるので尚更。
しかし聴いてみると、冒頭の早い打鍵が続く一曲を聴くと、全くモンク的でないことがわかる。饒舌さが、時として音の重みを奪っている、ように感じてしまう。この人の味は打鍵の速度そのものであり、打鍵の音響の深遠さを追求した(と思う)モンクの音楽とは対極だと感じた。あのゆっくりした音の深み、残響の遷移から、打鍵の速さよりもはるかに速く・昂奮を与えるモンクの音楽とは違うのだ。

そうだと理解すれば、ピュレーンの音楽の速さは軽く楽しい。しかし音の流れが途切れるような間が案外多いのが気になったなあ。やはりアダムスとのバンドで打楽器的なテンションを与えるピュレーンが好きなのかな、と思った。

レコード末期の録音なので、盤の仕上がりは良い。米国の録音(David Baker)が柔らかな日本の盤面に記録された、それがありありと分かる、少し面白いピアノの音になっている。


Don Pullen - Round Midnight

 

プレイズ・モンク

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