K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Charles Mingus: Mingus At Carnegie Hall Deluxe Edition (1974) complete盤/Deluxe Edition盤考

Charles Mingus: Mingus At Carnegie Hall Deluxe Edition (1974, Atlantic)
1. Introduction 3:11
2. Peggy's Blue Skylight (Charles Mingus) 11:54
3. Celia (Charles Mingus) 22:54
4. Fables Of Faubus (Charles Mingus) 20:51
5. Big Alice (Don Pullen) 18:39
Charles Mingus(b),John Faddis(tp), George Adams(ts), Hamiet Bluiett(bs),Don Pullen(p), Dannie Richmond(ds)
6. Perdido (Ervin Drake, Hans Lengsfelder, Juan Tizol) 22:32
7. C Jam Blues (Duke Ellington) 24:41
in addition to above: Charles McPherson(as), John Handy (as, ts), Rahsaan Roland Kirk(ts, stritch)
Engineer [Analog Multitrack Transfers] : Brian Kehew
Engineer [Recording] : Aaron J. Baron
Executive-Producer: Nesuhi Ertegun
Mastered by Sam Feldman
Producer: Ilhan Mimaroglu, Joel Dorn
Reissue Producer: Matt Block
Recorded live at Carnegie Hall, January 19, 1974.
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complete盤だ、Deluxe Edition盤だ、というと羊頭狗肉的なマテリアルを想起してしまう。Boot盤のほうが、Bootゴメン的な言い訳が先にあって、でも聴きたいでしょという気持ちをクスグリ、なんとなく共犯的な関係性で許せてしまう。未発表でRSDで限定発売、という流れは脅迫的で嫌だね。Boot紛いの高価なレコード再発と遭遇すると、詐欺にあったようで気分が悪い(某インターナショナルのレコードのことね)。少し頭が冷えてよかったのかも。あるいは、マイルスのcomplete盤で、未編集の音の束を聴いてもなあ、ということもあった。テオ・マセロの編集込みの作品だったのだ。

前置きが長すぎた。

さて、このミンガスのcomplete盤、Deluxe Editionという名前でresonance recordsでの傷が痛みそうな名前だけど、1974年のカーネーギー・ホールのコンサートの全容を収録したもの:

カーネギーのミンガスというと、ローランド・カークの咆哮を思い出すのだけど、今回の発売では、カークが入った曲は新たに加わっていない。4曲のミンガス・バンド(ミンガス、ファデス、アダムス、ブルーエット、ピューレン、リッチモンド)の曲が追加収録。従来のアルバムは、このミンガスバンドにゲスト出演者であるマクファーソン、ハンディ、カークが加わったコンサートの最後の2曲を取り上げていたのだ。

以前のアルバムはソロをまわす咆哮大会のような内容であったが、いや追加曲もそうなんだけど、人数が減っただけグッと締まった演奏と思えるのは気のせいか。フォーバス知事の寓話を聴くとよく分かるが、曲のアレンジ的な要素(ギル・エヴァンスに通じる)が実によく、ブルーエットの音に耳がいく。またピューレン作曲のBig Aliceでは、ミンガス色が薄れ、アダムス・ピューレン・バンドっぽいのが楽しい。ベースをキャメロン・ブラウンに変えたら、彼らのバンドだからね。

そんな訳で、このDeluxe Editionは狗肉的な要素はなく、むしろこっちが羊頭であっても良かった内容。レコードが欲しくなったな(結論がそれか!)。