吉田隆一/blacksheep: +-BEAST- (2015, Velvetsun products)
1.ふらふらする上弦の月
2.時間象限
3.ふらふらする三日月
4.φ - Phase -
5.遅すぎた交錯
6.ふらふらする満月
7.鋼の角と羊毛の軌条
8.ふたつの環 - 午後の陽のティアラ -
9.地球、買います
10.黒羊のうた
吉田隆一(bs), スガダイロー(p), 石川広行(tp), Tsuneta(cello)
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聴く前からそうだと思っていたが、やはり良いアルバム。 吉田隆一の曲作り、が合うのだろう。アヴァンギャルドな雰囲気を保ちつつ、音が丁寧に構築されている。
実はスガダイローのピアノは苦手なのだけど(板倉克行、明田川荘之、ハクエイキムと同じ分類の苦手ピアニスト)、このアルバムでは苦手感を全く感じない。不思議にも思うが、作曲行為の枠が作用しているのは間違いない、と思う。
苦手系のピアニストは美音なのだけど、よじれたり、流れが途切れたりする(ように聴こえる)瞬間に気持ちが悪い、感覚があるのだ。そんなクセが美味しくない、という個人的な趣味の問題だけど。
だから、このアルバムではバリトンサックスのモキモキした音と一緒に絡みつく、ピアノの音色が気持ちの良い。新垣隆とのアルバムで感じた気持ちよさ、と同類。
繰り返しになるが、吉田隆一の曲が性に合う、ということを再確認した。