K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

明田川荘之: 集団生活

明田川荘之: 集団生活(1977, Aketa's disk)
1. テーマ・フォー吉田
2. 森山ブルース
3. バッハナイズ・アケタ
4. つのひろセンチメンタル (Take 1)
5. つのひろセンチメンタル (Take 2)
オリジナル発売年1977年
明田川荘之(p), 斎藤誠(b), 宮坂高志(ds), 梅津和時(as on 4, 5), 中村マスコ(vo on 1, 2)
録音日:1977年2月、9月 アケタ録音

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日本のジャズ・ピアノ奏者で苦手が3人いる。板倉克行、明田川荘之そしてスガダイロー。ピアノの響きがクラシック寄りで、(多分)そっちの耳で聴いたときの不満が気になって仕方がない、という感じ。

明田川荘之の場合は、彼の文章(1980年頃のSJ誌連載)も苦手で、まさに「照れ隠し」のような戯れ言のような音も嫌だった。

筈、なのだけど、困った録音を聴いてしまった。例のAketa's disk再発を一通り聴くことにしたのだけど、小田切テナーに痺れた後、コレを聴いてしまったのだ。何だこのヘンなレコードは。明田川ピアノの戯れ言がヴォーカルにまで拡大された「ヘン」世界。聴いていて恥ずかしくなる。とにかく歌詞がヘン、節回しがヘン。このあたりの「ヘン差値」の高さは、書く気がしないので、以下の田中啓文サイトを参考にして欲しい。

http://www004.upp.so-net.ne.jp/fuetako/cd/aketagawa.html

よくあの歌詞をメモとったものだと、苦笑。しかし、ある種の広告での音楽が、脳裏に染みついて円環状に繰り返すように、このアルバムの「ヘン」が染みついて、脳内麻薬のように作用するのだ、恐ろしい。それも、ボクが苦手とする明田川ピアノの「ヘン」な部分を拡大・増感したような部分、 がなのだ。困った。3回も聴いてしまったじゃなか。

ふざけた?部分から、すっとストレイトなジャズに遷移する瞬間、の快感が只事ではないのだ。なんだこりゃ。困ったアルバムだ。これがCD化された事って、こんなアルバムが40年前にプレスされた事に匹敵する事件、じゃなかろうか。信じられない。

唄の中村マスコって、小川美潮のようにきこえる。この感じって、1980年過ぎのサカタバンドやら、本多俊之のradio clubやら、仙波清彦のはにわモノの先鞭じゃなかろうか。早すぎると云えば早すぎる一枚だったのかもしれない。これをCD再発したシリーズ監修の尾川氏に脱帽。

集団生活(世界初CD化、日本独自企画盤、解説・ライナー封入)

集団生活(世界初CD化、日本独自企画盤、解説・ライナー封入)

  • アーティスト: 明田川荘之トリオ+梅津和時&中村マスコ,Shoji Aketagawa,Kazutoki Umezu,Masuko Nakamura
  • 出版社/メーカー: DEEP JAZZ REALITY/AKETA'S DISK/OCTAVE-LAB
  • 発売日: 2019/07/24
  • メディア: CD
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