K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Keshavan Maslak, Han Bennink, Misha Mengelberg: Humanplexity (1979) 正統な「振り」をしながら逸脱への遠心力を効かせている2人との対峙

f:id:dailymusiclog:20200617120717j:plain

Keshavan Maslak, Han Bennink, Misha Mengelberg: Humanplexity (1979, Leo Records)
A1. Humanplexity 5:35
A2. Overear Woman 8:05
A3. Lick My Elbow, Lick My Elbow 9:00
B1. Quick Majestic Death In Manhattan 8:14
B2. Purple Window Wind 3:00
B3. Serious Fun (At Times) 5:14
B4. Ha Ha Ha 9:04
Keshavan Masla(as, ts, ss, fl, b-cl, horn), Misha Mengelberg(p), Han Bennink(ds, voice, cl, tb)
Engineer: Sjaak WIllemse
Recorded November 4, 1979, BIMhuis, Amsterdam.

--------------------------------------------------------------------

長く欲しかったレコード。稀少な盤では決してないが、常識的な価格の盤との出会いに時間がかかった。

ケシャヴァン・マサルクをはじめて聴いたのは1980年頃。ICPオーケストラの日本公演と同時期。その頃にジャズ雑誌にフリージャズ系ライターが取り上げていたのだ。

共演メンバーが強烈なので、インプロ系と思いきや(やるのだろうが)、1960年代後半のミシャ・メンゲルベルク・グループの延長線上。モンク、ドルフィーの「奇妙な音」の直系後継者としてのメンゲルベルグ/ベニンクとの共演なので、面白くない訳がない。

微妙に平衡感覚を揺さぶりながら打音を叩き続ける2人の打音は、脳内に痒いところを生み続け、それを抑えるようにマサルクが吹く。彼の強靱な響きは至って正統的なジャズ・アルトサックス奏者のそれ。同じく正統な「振り」をしながら逸脱への遠心力を効かせている2人との対峙は面白い。

Leoレコードは久しぶりに手にしたように思う。あれはガネリン・トリオだったか。40年前のこと。レコードを手に取ると、そんな想いに耽る。いつものことだけど。