児玉桃: Debussy/ Impressions (2002, Triton)
1.-6. Children's Corner (子供の領分)
7.-8. Deux Arabesques (2つのアラベスク)
9.-12. Suite Bergamasque(ベルガマスク組曲)
13. Masques (マスク)
14. D'Un Cahier D'Esquisses (スケッチブックから)
15.-17. Estampes (版画)
18. La Plus Que Lente (レントより早く)
19. L'Isle Joyeuse (喜びの島)
児玉桃(p)
Recording date: 4-6 Nov. 2002
Recording location: Nyuzen Cosmo Hall, Toyama
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[2021-04-25]
DSD64の音源を入手し、楽しんでいる。素晴らしい録音。
[2021-04-24]
最近のよく聴くアルバム。ECMのアルバムで知った児玉桃なのだけど、そのECMでの録音に対する別の答え、のような印象がこのアルバムにはある。
ECMのクラシック系のアルバムはNew seriesとされている。残響の付加は割と控えめ。それでいてECM全体としての音の印象の統一感は失っていない。といおうか、このクラシック系の音の音場に合わせようと、ECMでの音響操作、過度の残響付加を中心とした、を行っているようにも思える。
New seriesを聴いていると、時としてストレスを与えるような残響付加は感じないのだけど、やや音が固く、低め温度感が強すぎるのでは、とも思う。
この児玉桃のドビュッシー集は実に柔らかくしなやかな音を愉しめる、だけでなくECM同様の音の純度の高さ、のようなものを感じさせる。だから、ECMでの録音に対する別の答え、のような印象を受ける。そして、それが実に素晴らしい音なのだ。
入善のホールの残響も程よく、ピアノの音の粒立ちと両立し美しい。そして音は仄かに暖かく、時として冷たい。沈黙から音が沸き上がるような感覚。
優しい感情を与えられる子供の領分からはじまり官能的な喜びの島へ至る選曲も素晴らしい。
ECMで児玉桃を知ったであろう諸兄にも聴いてもらいたいな、と強く思う。