K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

高柳昌行: Dangerous (1991) 高柳昌行のLast date

MASAYUKI TAKAYANAGI / 高柳昌行 / Dangerous / デンジャラス

高柳昌行: Dangerous (1991, Jinya disc)
1. Variation I 19:16
2. Variation II 6:42
3. Variation III 14:48
4. Variation IV 11:06
高柳昌行(g, electronics)
1991年3月
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発売早々、Jinya discからCDと特典CDが届いた。特典CDは本アルバムより後の収録、高柳昌行の最後の録音だそうだ。

ボクは高柳昌行の「ジャズギター」が好きで、その延長線にあるフリージャズと呼べる範疇、丁度TBMでの作品群とそのヴァリエーションを愛聴している。second conceptとかnew direction。それからたち吉オーナーのボサノヴァ,あれもいいなあ.

阿部薫とのアルバムになると、聴くことができるときと、受け付けないときがある。年々、耳が弱っているので刺すような轟音が辛いのだ。

そのような微妙な立ち位置ではあるが、最近の発掘音源はマメにフォローしている。面白い、音と遭遇することが多いから。

今回の盤はJinyaの斎藤さんの爆音推奨なので、一回聴いたらお仕舞いの「耳に辛い音」と思いきや、思わぬ拾い物。ジャズから遠く離れたノイズミュージック?、今で云うドローン?、全く良くわからないのだけど、惹きつけられること夥しい。

動的に遷移する2つの電荷の電気力線をみているような、無から音が渦巻状に流れ出て,再び空間に吸い込まれ無に帰る,そんな見取りの時間遷移を体験している。細かな粒状の雑音のような音が、闇から放たれる瞬間の光を観測している。あんな音のどこに美しさがあるのだろうか。深淵を覗き込むような感覚、確かに死を睥睨するような感覚。

そんな高柳のLast Dateをボクは追体験し、自分のLast Dateに重ねてみせた。

バード電子で購入すると特典CD"Endless final"がついてきます。