K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

高柳昌行とニュー・ディレクションズ: Independence (1969) 音と沈黙が造る音響的な美

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 本日届いたLPレコード。届いてから、表裏を2回聴いてしまった。よい。

 高柳昌行は、1980年頃にトリオ・レコードから出たインスピレーション&パワーの再発盤ではじめて聴いた。ほんの数十秒でノイズのようにしか感じず、最近まで聴く対象としてこなかった。 

 その頃に新譜としてTBMから出たCool jojoが何となく気になっていて、つい最近聴いてみた。そのキレがよいギターに惹き込まれ、彼の多様な取り組みをようやく知った。

 このアルバムは、高柳昌行, 吉沢元治, 豊住芳三郎のトリオ(佐藤敏夫の時間指揮って何だろう?)。魅力的な奏者達が空間を丁寧に構築してくような音が連なる。一音一音考えられ、打ち込まれたような音の連鎖。だから、音と音の間には思惟のような沈黙を感じることができ、音と沈黙が音響的な美を造り出している。 

 それにしても、彼のアコウスティック・ギターは美しい。特に3.での吉沢元治のチェロとの、弦と弦の会話は美しい。レコードで聴きたいと思う動機、弦の音響空間や打楽器の衝撃音のようなものを見事に再生しえくれる。このアルバムはやはり1980年頃の再発盤(このとき山下洋輔のコンサート・イン・ニュージャズを買った記憶がある)のようだけど、美しく再生してくれる。嬉しい。

 

参考記事:

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高柳昌行とニュー・ディレクションズ: Independence (1969, Union)
A1.銀河系 [The Galactic System] 11:26
A2. 病気のおばさん [Sick...Sick...Sickness...My Aunt] 1:12
A3. 習作第3番アップ・アンド・ダウン [Study No.3 Up And Down] 5:55
B1. スペインの牧童の笛 [Herdsman's Pipe Of Spain] 6:45
B2. 夜の沼 [Deepnight...Swamp] 1:23
B3. ピラニア [Piranha] 13:21
高柳昌行(g), 吉沢元治(b, cello他), 豊住芳三郎(ds, perc), 佐藤敏夫(Time Conduct)
1969年9月テイチク会館

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