つげ義春が描いた最後の漫画。今から35年前。藤原マキ夫人の癌発症からの不安神経症に悩まされる日々、とうとうこの掲載を最後に筆を折っている。つげ義春の漫画掲載を目的に作られた雑誌であるCOMICばくも次号(つげの漫画は掲載されていない)で力尽きる。全15号のうち、14号に連載されていた。終焉に相応しい力作が多い、だから終わりになった、のかもしれないが。
その後、困窮し妻子に見捨てられたつげ義春、であれば、私小説的漫画が中心であった連載の後に相応しい。川崎長太郎のように海浜の陋屋に住んで。
勿論、そんなことはなくて、現在もお元気。夫人は早逝だったが、先般、ご子息のmanageでフランスに出かけたつげ義春の記事を読んで、よかったのだけど、何とも言えない気分ではあった。この最終作の暗さ、からは想像がつかない。
当時、買いそびれた本号をようやく入手。嬉しい。